私が働く地域では、現在、介護保険負担割合証が随時利用者様宅へ発送されています。
毎年この時期はみなさん慌ただしくなりますよね。
ケアマネジャーをしていると、
こんなことを言われることがあります。
ケアマネさんから、介護保険証の写しをまだいただいていません。負担割合証も併せていただけますか?
何気ない会話の中で、
思わず写しを渡してしまいそうになりますよね。
勘違いしやすいですが、
ケアマネジャーがサービス事業所へ介護保険証の写しを
交付する義務はありません。
また事業所側が、
ケアマネジャーから写しを受け取ると基準違反になる可能性があります。
今からその理由を解説します。
ケアマネに保険証写しの交付義務はない
まずケアマネジャーの
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準や、解釈通知には介護保険被保険者証の写しを
サービス事業所へ交付する義務はありません。
その為、求められても交付はしなくてよいのです。
ちなみに、
居宅サービス計画書は交付義務がある。
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準
(指定居宅介護支援の具体的取扱方針)
第十三条 指定居宅介護支援の方針は、第一条の二に規定する基本方針及び前条に規定する基本取扱方針に基づき、次に掲げるところによるものとする。
十一 介護支援専門員は、居宅サービス計画を作成した際には、当該居宅サービス計画を利用者及び担当者に交付しなければならない。
↓詳しく知りたい方はリンクをチェック
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411M50000100038平成十一年厚生省令第三十八号指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準
※ここでいう担当者とは、利用者さんが利用するサービス事業所の担当者のことです。
サービス事業所側がケアマネジャーから受け取ると基準違反?
今度は、サービス事業所側の基準について見てみます。
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準
(受給資格等の確認)
第十一条 指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供を求められた場合は、その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめるものとする。
続いて基準について、同じ箇所の厚生労働省の解釈を見てみます。
(4) 受給資格等の確認
① 基準第一一条第一項は、指定訪問介護の利用に係る費用につき保険給付を受けることができるのは、要介護認定又は要支援認定を受けている被保険者に限られるものであることを踏まえ、指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供の開始に際し、利用者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定等の有無及び要介護認定等の有効期間を確かめなければならないこととしたものである。
↓詳しくはリンクをチェック
○(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知)◆指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について◆ https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta4369&dataType=1&pageNo=1
基準では、その者(利用者)が提示する被保険者証によって、内容を確かめるものとする。
と明記してあります。
つまり、介護保険被保険者証は
事業所側が、利用者さんから提示してもらって確認しなければならない
という基準があるということになります。
よって、
事業所側が、ケアマネジャーに対し介護保険被保険者証の写しを
提示するよう求めることは、
基準に反しているのではないかと考えます。
また、ここでは介護保険負担割合証についての明記がありませんが、
項目が「受給資格等の確認」となっており、
介護保険被保険者証の確認。と限定されていないことや、
厚生労働省の解釈の中で、サービス利用にかかる費用のことに触れられていることから、
介護保険負担割合証のことも含むのではないかと
私は、考えます。
まとめ
- ケアマネジャーがサービス事業所へ負担割合証を交付する義務はない
- 介護保険被保険者証の写しは事業所が、利用者からの提示を受け確認しなければならない
- 負担割合証についても②と同様の取り扱いとなる
みなさん、
制度は正しく理解をして
ケアマネさんやサービス事業所の担当者さんと
より良い関係を築き、
チームアプローチを促進していきましょう。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
みなさん、大好きです。